なぜ天才は凡人に負けるのか?

B!

数学的問題

もしあなたが今日、昨日の自分より1%能力を上げようと努力し、それが実行でき、しかもそれを一年間続けることができれば、どうなるでしょうか? 単純に 1.01×1.01×1.01×・・・と365回掛ければよいわけですが、そうすれば図のように、あなたの能力は37倍になるわけです。
ん!? と思ったあなたは人の意見に惑わされずに物事を自分の頭で考えようとする人だと思います。 そもそも37倍って大きすぎやしないか? 1%の能力拡大って可能なの? そうなんです! 数字やグラフを出されると、正しいと思ってしまうかもしれませんが、その前提を確認しなければならないですよね! でも、数学的に考えるのは、思考のたたき台にはなるので、少し数字を修正してみましょう。 1%ではなくて、0.1%にしてみましょう。そして、1年ではなく3年にすると… 1.001×1.001×1.001×と1095回掛けますね。そうすると約3倍になります。 3年で能力が3倍になるっていうのは、感覚的にもあってるかな…という感じになってきましたね。 もし英単語を1000個知っていたとしたら、1日1~3個覚えればよいですね。これはちょっと現実的になってきたかな? 能力が今から3倍になってもすごいですよね。それを10年続ければ… これが、こつこつ努力する凡人が天才に勝つ理由なんです。

感覚とのずれ

でも、人間の感覚は対数的になっていると言われます。 3倍くらい成長しても、1割くらいしか成長したと感じないんです。 なぜそのようになっているかと言うと、自然現象のダイナミックレンジは大きいのですが、人間の感覚器官のダイナミックレンジは小さいので、自然現象に対応するためには対数にするのが都合よかったのだと考えられます。 例えば、自然にある光は暗いところから明るいところまで10000~100000倍の違いがあるのですが、人間の目が感じることができるのは100~1000倍なんです。 だから人間の感覚は対数的になったと考えられます。 だから、少し能力が上がったくらいでは、自分には変化が感じられないのです。ある程度の蓄積があってはじめて自分の能力アップを実感できるので、その感覚は階段状になるわけです。

複利の力

アインシュタインが「複利は人類最大の数学的発見」と言いましたが、この感覚的なずれから、複利の力に驚いたのだと思います。 今までの話は、言うなれば複利の話です。コツコツやる人には複利の力が働いて、自分では思ってもみなかった能力を手に入れるというわけですね。 資産構築も同じです。例えば年5%の金利で30年間、複利で投資すれば元金が4倍以上になります。 昭和の高度成長時代には金利6%以上の時代もあったので、この時代の人は、いまだに貯金しとけば資産が増えるという感覚を持っている人もいると思います。 この時代には、貯金=投資だったわけですね。つまり日本に投資していて、そのころは利回りが良かったのです。でも今は違います。 今は、金利に複利効果が期待できないので、別の仕組みが考案されています。それは、コミュニティを利用する仕組みです。コミュニティが増えれば収入も複利的に増える仕組みです。 学校では福利の力や投資については教えてくれないところがほとんどです。ですから自分で学んで実践していく必要があります。 時代が人間に自立を促しているとしたら、それは社会の進化ととらえることもできると思います
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