1000分の1の力

もうすぐ4月!新しいことが始まるという人も多いはずですので、継続の力について考えてみたいと思います。

昨日の自分との比較

なにか新しいことに取り組んで、それをやり続けた時に、どれくらい進歩できるものでしょうか?

分野によっても違うし、頭脳労働と肉体労働では違うと思うかもしれません。しかし、やり続けていれば、何らかの進歩はあるはずだし、少しずつでも作業効率は上がっていくだろうし、新しい脳のネットワークが構築されているはずです。

そうなると重要なのは、他人との比較ではなく、昨日の自分との比較として、今日は何が新しい能力として、自分に加わったかという認識です。新しいことを獲得したという認識は、次第に信念になり、自信となっていきます。もちろん、認識しなくても、ある時振り返ってみると、体感覚的にそれを理解していたということも多くあります。また、そういうタイプの人もいます。

人間の学習タイプは主には3つ

  1. 視覚
  2. 聴覚
  3. 体感覚

です。このうちの2つを主と従として使っていると言われています。視覚タイプの人はビジョンが見える人。思い出す時には、上方の空間に視線がいきます。視覚からの刺激によって、学習する人で、文字より映像を見た方が印象に残ります。

聴覚タイプの人は、人の言うことに耳を傾ける人。聴覚刺激からの学習が得意です。映像ではなく音声CDによる学習でもOKです。思い出すときは左右に視線がいきます。

体感覚タイプの人は、実際にやってみて納得する人です。思い出すときはやや下向きに視線がいきます。

人それぞれタイプが違うわけですから、他人と比較して、自分は理解が遅いのではないかと思う必要はありません。日本人に多いのは、体感覚タイプです。

とこういう定性的な話をしていても、実感としてよくわからないという人も多いと思いますので、数字で考えてみましょう

毎日、昨日より0.1%進歩する

0.1%、すなわち1000分の1と言われても、人間にははっきり認識できない量です。人間が認識できるのは、何割、つまり10%以上の違いなのです。だから、毎日少しずつ進歩していたとしても、長い間、自分ではそれを感じられないで、ある時、自分の進歩に気づくというのは、こういうカラクリなのです。

もちろん、0.1%というのも仮定です。もっと進歩する日があるかもしれないし、停滞する日があるかもしれません。また、なにを計測すればいいのだ?という疑問を持つ人もいるかもしれませんが、数字的に理解するための仮定ですので、そこは突っ込まないようにしてください。

では、毎日0.1%ずつ進歩するとどうなるかというと、以下のグラフのようになります。これは、毎日0.1%ずつ進歩するとして、3年間をプロットしたグラフになります。

これを見ると、約3ヶ月で能力は1割増えます。そうすると、自分の能力がアップしたことに気づきます。そして、3年経つと3倍になるという結果です。まあ、これが「石の上にも3年」とか「3日、3ヶ月、3年」とか言われる根拠かなと思います。3倍になったとしたら、それは脳の新たなネットワークが築かれて、別人になったようなものです。

継続することと集中することの重要性

私も今、新しいことを学習し、習得しようとしています。ですから、この記事は自分自身にも言っているのです。

最初は進歩が見えないので、自信を失いがちです。ですが、この習熟曲線を理解していれば、たとえ進歩が見えなくても継続しようという気になります。進歩が見えないうちにやめてしますのが「三日坊主」です。もし、21日続けられれば、それは習慣になります。21日というと断食修行みたいですが(笑)、約3週間で習慣が定着するというのは、研究の結果です。

そして、どうせやるなら集中しましょう。集中するとは、どういうことか?それは、今やることに没頭することです。それが、学習効率を高めるこては分かっています。始めはそんなに没頭できないよ…と感じるかもしれませんが、それが習慣になってくるにつれて没頭体験があると思います。

必要な時に、この習熟曲線を思い出してください。これが何かのお役に立てれば嬉しいです。

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